明日は良い日

毎日が日曜日……シンプルに晴耕雨読。

62年の時空を越えて

小さな改札口の前に一人の女性。
「あっ、Yさん!」


Tちゃんが駆け寄り、続いてYoさん、Hちゃん、Eさん、最後に私がもつれ込み、握手したり肩を抱き合ったり、互いの間の62年の時空を瞬間移動した。
Mちゃんのお店で合流予定だったから、そのハプニングも加わって、改札口前は6人のおばあちゃん軍団にしばし占領されていた。
(改札口前は私たちだけだったはずだが、どなたかご迷惑をおかけしていたらお詫びします)


3連休の最終日、小中学校で親しかった同級生7人の集まりが、仲間の一人・Mちゃん夫妻の営む寿司店であった。
あいにくの雨、強風、冷え込みの厳しい日だったが、何よりもみんなが大喜びしたのは、ご家族の病状で参加が危ぶまれていたYさんが参加できたこと。
Yさんとは、私とTちゃんは40年ぶり、Mちゃん、Yoさん、Hちゃん、Eさんに至っては中学卒業以来62年ぶりの再会。それなのに名前を呼び合ったその時から、揃って7歳~15歳の故郷の幼馴染みに戻った。




1クラス30人、併せて60人の同級生たち。小学校では1組・2組のいずれかになり、中学生になればA組・B組のどちらかに分かれたが、小学・中学の校舎は隣接していたから、編成替えがあってもそれほど気にならなかったように覚えている。
それでも、今日集まったのは「奇しくも」と言いたい、小学入学から中学卒業までの9年間、ずっと同じ教室で学んだ同級生たち7人。


Mちゃん夫妻に迎えられて始まった集まり。最初に、元気だったら今日この場に居たかもしれない、昨年に亡くなったNさんに献杯した。
話題が目まぐるしく変わるたびに小学1年生になったり、中学生になったり、またまた小学生に戻ったり、62年ぶりに耳にする同級生の名前に消えかけつつある面影を呼び起こしたり……。




4時間も居座って、参加者のほとんどが帰宅迄1時間半ほどかかる帰路につき、一番遠い私も6時20分に帰宅した。
元気に家に着いた旨をMちゃんにラインすると、「家に帰ってもあなただけは一人だから、ちょっと話そうかなと思って」とMちゃんから電話が入り、20分ほどお喋り。確かに私以外のメンバー全員にご主人がいらっしゃる。気遣いが嬉しくて「祭りの後の寂しさ」に襲われることもなく、一人の夜もなんのその、朝からの「楽しかったオンパレード」の余韻に包まれて、まずはコーヒーを落とした。

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