明日は良い日

毎日が日曜日……シンプルに晴耕雨読。

「私の本棚」新刊

「私の本棚」に加わった1~2月の新刊4冊。
あらすじは表紙カバー裏面より。私は、この大雑把に書かれたあらすじを読んで選ぶことが多い。


●「アンドクター」 聖海病院患者相談室 藤ノ木優
聖海病院で研修医として働く綾瀬凪沙は、患者に寄り添う医者になるという理想と現実のギヤップに戸惑っていた。当直中に採血した患者の左腕に痺れが残り、凪沙は患者の恋人から医療ミスだと責め立てられる。助っ人として現れた患者相談室の神宮寺の手腕で激昂する患者たちは宥められたものの、彼は凪沙に対して「お医者さまの対応で裏方が苦労する」と辛辣で……。
新米医師×医者嫌いの非医師の成長を描く感動の医療ドラマ!



読み終わって★★★★★。
振り返れば、理想と現実のギヤップって私にはあまりなかったような。そもそも理想を持たなかったのかな? 関わってきた職場的に、自分の仕事を頑張ってやっていればそれで良し、それ以上に意欲を出せばそれも良し、仕事熱心なのは当たり前の時代だった。
著者は現役医師さんだとか。この頃の医療現場を垣間見ることができたのは良かった。


●「ミッドナイト・バス」 伊吹有喜
故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。会社を辞めた長男、結婚と仕事で揺れる長女。人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長編。




読み終わって★★★★★。
伊吹有喜さんは大好きな作家。特に「BAR追分シリーズ」は大好きで、何度も読み返している。
「おいおい、どっちにもいい顔するとどっちも不幸になるよ」、と言ってやりたいけれど、そうせざるを得ない心情も理解できるし、自分に重ねてしまった場面も多々。自分の親たちもきっとそうだったように、親になるというのは重いことです。


●「外科医島へ」泣くな研修医6  中山佑次郎
半年の任期で離島の診療所に派遣された、31歳の外科医・雨野隆治。島ではあらゆる病気を診なければならず、自分の未熟さを思い知る。束の間の息抜きを楽しんだ夏祭りの夜に、駐在所の警官から電話が。それは竹藪で見つかった身元不明の死体を検死してほしいという依頼だった___。現役外科医が生と死の現場をリアルに描く、シリーズ第6弾。




読み終わって★★★。
シリーズ1~5は読んではおらず、いきなり6からスタート。こちらも著者は現役外科医さん。分業で選んだ診療科だけに特化する今の医療現場で学んできた研修医が、少しずつ成長していくが、ベテラン医師との二人体制に、とりあえずは安心して読み進めることができた。


●「アンの娘リラ」赤毛のアンシリーズ8 松本侑子新訳
アン48歳、第一次大戦が始まり息子3人が兵隊として欧州の戦場へ。出征を見送り、激戦が報じられる不安な日々、赤十字の活動をして、家族の無事を祈る。そして悲劇、感涙の復員。アンの娘リラの視点で描く戦争と銃後の暮らし、リラの成長と甘い恋。日本初の全文訳・訳註付アン・シリーズ完結の第」8巻。地図と写真入り。




読み終わって★★★★★。
「赤毛のアン」シリーズは、19世紀のアン・シャーリーの誕生と少女時代から、20世紀のアン・ブライス50代まで、半世紀を超える女性の生涯とカナダの激動の時代を描いた壮大な小説。
私の中では村岡花子訳が不動の1位だが、今回買い揃えた松本侑子さん全文訳は、村岡さんが本に残せなかった部分も全て掲載されており、分かりやすい訳、多くのページを割いた訳註など、ファンには垂涎の新訳だと思う。。
村岡さん訳の本はもうボロボロ、しかも変色してしまっているが、「私の本棚」の一等地に静かに鎮座している。

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