明日は良い日

毎日が日曜日……シンプルに晴耕雨読。

NHK FM 81.6

昨日今日、小春日和などという長閑なものではなく、少し動いただけで汗が噴き出てくるなかなかにヘビーな暖かさとなった。
庭の椅子周りにはマルカメムシや何種類かの蜂が飛び交い、犬の散歩の女性はTシャツ1枚。
部屋に入り込む日差しもかなり強かった。



夫がいなくなってからずっと、音楽を聴く気にも本を読む気にもならなくて、ただただ怠惰に過ごしてきたが、4~5日前からラジオを聴きだした。
何年も前に購入した超安価なラジカセ、カセットはもう壊れて聞けない。
チューニングもなかなか合わず、雑音交じり。
それでもいいから、とにかく声が音が欲しかったのだ。
娘にその話をすると、NHKFM81.6になんとか合わせてみて…という。


指先で回すタイプのチューニングダイヤルは、太い指ではとにかく回しにくかったが、根気強く微調整を続けた。その甲斐あってチューニングシグナルの赤い点滅がピタッと止まって、クリアな音楽が流れてきた時は嬉しかった。
とても嬉しかった。
それが一昨日のこと。



今朝のスイッチON時は、“ちょっと切なくなる懐かしのポップス”で、よしだたくろう、井上陽水、忌野清志郎、浜田省吾の歌が流れた。


ホント、ちょっと切なくなった。
よしだたくろう、忌野清志郎は特に好きだったし今も好き、そして忌野清志郎はもういない。
洗濯物を干して2階から降りてくると、映画音楽に変わっていた。
風と共に去りぬ“タラのテーマ”、ドクトル・ジバゴ“ララのテーマ”、そしてバラライカ……。
このコーナーはリスナーのリクエストによるものらしい。


一人ぼっちになってからずっと周りと自分との間にバリアーを感じてきたが、それは、自分の周りに膜を張っていた自分自身だったのかもしれない。
NHKFMの、騒がしさの一切ない、静謐ともいえる語り口と音楽に私、何かを取り戻したような気がする。

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