私が運転免許をとったのは55歳でした。
最寄駅から自宅までは徒歩17分、タクシーで1メーターながら、日々の買い物に始まる生活の為の移動は車なくしてはとうてい無理な田舎です。
東京から越してはきたものの、途方にくれたのを覚えています。
そこで一念発起、運転免許取得のため教習所に通い始めました。
会社が休みの週1回だけの教習を、共に学ぶのは全員が高校生というなかで、おばさん一人頑張りました。
教官を感動させるほどの努力の甲斐あって全て一発合格、あっという間に免許証を手にしました。

そこまでは良かったのですが、教習中にうすうす感づいていたのですが、運転嫌い、運転怖いという感情に支配され始めていたのです。
それでも1年ほどは、ほぼ強制的に夫の指示で運転させられましたが、運転嫌い、運転怖いをますます助長することになったように思います。

片側2車線道路ダメ、車線変更ダメ、バック駐車も２台の間の駐車もダメetc。
みんなが言うには、運転は下手ではないらしいです。
並外れた方向音痴（20分で行けるところを2時間彷徨ったことがあります）が根底にあって、過度の弱腰・怖がりに囚われているようです。
夫も諦めて、その後は市役所、社協、スーパー1店の3か所のみ、年に5～6回だけの運転という状況で今日まで来ました。
早い話がペーパードライバーみたいなものです。

それが、先月の緊急入院中に夫は、「病院が破壊されたと思うほどの強い眩暈」に襲われ、退院して1ヵ月過ぎた今も、運転はしません。もし運転中にあのような状態になったら大事故に繋がってしまうからと。

そうなったら、やるしかありません。
今日はJAに精米に行き、お昼はラーメン店で食べ、ボランティアセンターに寄付金を貰いに行き、銀行ATMで記帳し、スーパーで買い物をして……。
助手席で夫はカーナビになってくれますが、必死で緊張している私は無駄話ひとつできずにハンドルにしがみついているわけで、帰宅するなりソファーに倒れこみ、1～2時間起き上がれないのです。
そんなこんなで1ヵ月経っても、運転嫌い運転怖いに嵌りこんでまま、抜け出ることができずにいます。後回しにしている外出を伴う用事もだんだん溜まってきました。
さてさて、どうなることでしょう。